0歳 赤ちゃん言葉は必要ない?赤ちゃんへの話しかけ方
言葉の学習は乳児期から始まっている
子どもって耳できいたことを、すぐに真似しますよね。
外出先でかかっていた曲を急に歌いだしたり、公園で会った友だちの真似をしてみたりと「あれ?いつどこで覚えてきたの?」と驚くこともしばしばです。
人間は、赤ちゃんの時から真似ることが得意です。
親の真似をしたり、テレビで見た歌やダンスをすぐに覚えたり、なかには絵本の文章を丸暗記してしまう子どももいるというので驚きです。
生まれてから幼稚園や保育園に通いだすまで、一緒に時間をすごすことが多い親は(世話をしている大人)その子にとって一番の「お手本」なのです。
子どもが1歳を過ぎ話し始めると、言葉遣いに親の影響が少しずつみえはじめます。
要するに、まだ言葉を話さない赤ちゃんのうちから聴覚・視覚を働かせ ”言葉遣い” について学習しているのです。
乳児期の耳の発達
<乳児期にみられる発達>
生後1カ月未満 突然の物音に驚愕
満1カ月 突然の物音に対する開眼音、
音や声による行動停止
満2カ月 声かけで喃語の誘発
満3カ月 人の声に対する反応多様化
満4カ月 様々な環境音への認知、喃語がでは
じめる
満5カ月 小さい音への反応の出現
満6カ月 話しかけに対する注意力が増加
このあと7~8カ月で名前を呼ぶと反応がみられ、10カ月で簡単なものまねが増え、1歳になるころには有意語が見られ始めます。
聴覚伝導路にはシナプスが多く、ほかの感覚系に比べて複雑な構造になっています。
これは音の知覚、言葉の意味理解、聴空間認知などの聴覚情報処理行うために複雑に発達したと考えられており、胎児のうちから発達が始まり5~7歳ぐらいまで発達が続くそうです。
このように乳児期の耳の発達は1カ月ごとに著しいことがわかります。
子どもは生まれてから有意語を話し出すまでの1年間、親の話し方をモノマネしようと学習し続けているのです。
どんなお手本になりたいか考える
このことから考えると私たち親になる側は、我が子が生まれる前には、子どもにどんな言葉をつかってほしのか(使ってほしくない言葉・言葉遣い・話すスピード・トーンなど)を子育てに携わる人と早いうちに話し合っておけると、ベストだと思います。
話し合う理由は、一貫性をもたせるためです。
赤ちゃんといえど人間です、方針を統一したほうが子どもにも伝わりやすいですし、話し合いチームで育児に取り組むほうが子育へのストレスが軽減できるからです。
< 例>
・目をみてゆっくりと優しく話しかける
・丁寧な言葉遣い
・主語述語をしっかりつけ文章で話す
・子どもに注意を促す際は、理由をしっかり伝える
我が家では、上記のことに気を付けて子どもに語りかけていました。
もちろん完璧にできたかと聞かれればNOです。
時と場合によって臨機応変に対応しながら子育てを楽しんでいれば、結果はついてきます。
赤ちゃん言葉を使わないという選択
幼児語いわゆる「赤ちゃん言葉」は果たして必要なのでしょうか?
赤ちゃん言葉については次のような研究結果があります。
赤ちゃん言葉とは、調音器官が未発達の幼児でも発音しやすい言葉、同じ音を連続させて単純化した言葉、長い言葉を省略した言葉などを乳児期から大人が語りかけることで、子どもが自発的に話し出すことに効果的といわれており、実際にアメリカのワシントン大学とコネチカット大学の共同研究によって、赤ちゃん言葉で話しかけられた子のほうが早く、たくさんの言葉をを覚えること(記憶力を高め学習能力が上がること)が分かっているそうです。
上記のことを知ったうえで、我が家では出産前からの話し合いで赤ちゃん言葉は使わないと決めていました。
結果、同年代の子たちが「ワンワン」「マンマ」などと赤ちゃん言葉を話し始めたとき息子はほとんど言葉を発しませんでした。
しかし1歳6カ月なると急に(赤ちゃん言葉ではない)たくさんの言葉を発音するようにり、2語文で話すようになるのもまわりよりも早かったように感じます。
そして4歳になったいまでは、たくさんの言葉を取得し起承転結をつけて会話ができるようになりました。
最近では、敬語を使って話すこともあります。
赤ちゃん言葉については、さまざまな意見があると思います。
わたしは「赤ちゃん言葉は一生つかうものではない」という気持ちが強いため、使わないという選択肢を選びました。
その代わりに時間を費やしたことがあります。
それは、図鑑と絵本の読み聞かせから言葉のシャワーをたくさん浴びせることです。
絵本は対象年齢で選ぶのではなく、内容、文章を、絵をチェックし親が厳選したものを読み聞かせていました。
わたしは、尊敬語や丁寧語が苦手なので絵本には助けられました。
まとめ
幼稚園や保育園、小学校に通うようになり言葉遣いが荒くなったとか、テレビの影響で言葉が汚くなったなど環境によっても影響を受けやすい「言葉遣い」。
しかし、乳児期から刷り込まれた記憶は消えないものです。
たとえまわりの影響をうけたとしても、親や身近な人が生まれる前に決めた言葉のルールを貫いていればいいのです。
大人になり社会人になったときに、記憶に残っているのは良くも悪くもお手本としてきた親の言葉遣いです。
『子は親を映す鏡』
親から子へ、子から孫へ受け継がれると考えるとなんだか責任重大です。