子どもに「早くしなさい」は10%しか記憶に残らない!?
子どもの脳に「命令」は響かない‼︎
~イライラしないための子育てのヒント~
子育てをしていると、朝から晩まで「○○しなさい」と言い続ける毎日にうんざりすることありませんか?
こちらも、最初は穏やかに注意を促しますが何度も同じことを言っているうちに気持ちが荒くなり、最終的には「早く!〇〇しなさい」と命令口調になってしまうのは仕方がないことだと思います。
しかし実はこの「命令口調」は、子どもの記憶にはほとんど残らないのだそうです。
要するに、毎日同じことを言い続けても ”右から左” ということです。
今回は、毎日を気持ちよく笑顔で過ごすためのヒントについてです。
目次
-まずは時間に余裕をもってみる
-「命令口調」は効果なし
自分で考えて行動するように言葉で誘導する
-シチュエーションに応じて叱らずにすむ方法を考えてみる
-子どもの気持ちになって考える
- 子どもが納得できる説明を
まずは時間に余裕をもってみる
子供がいうことをきいてくれず、親がイライラしてしまうというシチュエーションのとき、「時間がない」「早くして」と口にしてることが多くありませんか?
今からでも簡単に始められること、それは「時間に余裕をもつ」ことです。
たとえば、朝の忙しい時間におすすめなのが、就寝時間を早め、30分早く起床してみる。
人間は時間に追われるとイライラしたり、せっかちになりがちです。
起床時間を早めることで朝の準備がスムーズに進み、優しい気持ちで子どもと接することができます。
一日の始まりが穏やかだと、心が安定し、幼稚園での生活も充実したものになります。
マイペースな子どもの行動を急かすのではなく、食事の時間、出発時間やお風呂の時間などの生活時間を親側がコントロールすることも、幼児期には必要です。
子育てをしていると時間に追われがちです。
「少し早め」を意識すれば、子供が駄々をこねた時に、しっかりと向き合って会話する時間をもつことができます。
「命令口調」は効果なし
ある調査によると「命令」は最も効率の悪い意志の伝え方だとわかったそうです。
驚きなのが、命令口調で注意されたことは時間がたち、なにを言われたのかを思い出そうとしたとき、言われたことの約10%しか覚えていないというデータがあるということです。
理由は、命令されると自分の頭で考えることなく言われた通りに行動するだけだからだそう。
子どもにとって命令口調で指示されたことは、やり遂げたとしても何も価値のないものであり、言われたことに自ら責任をもつこともないのです。
‐自分で考えて行動するように言葉で誘導する
子どもに注意や助言をしたときに、耳を傾け積極的に行動してほしい場合は、言葉のニュアンスを少し変え問いかけます。
たとえばダイニングテーブルにクレヨンが散らかっていたら「クレヨンはどこにしまおうとおもっているの?」
「みんなで食事をする場所にクレヨンが散らばっていたら、みんなはどうおもうかな?」1歳ぐらいの子どもであれば「クレヨンがないてるよ」と問いかけるのもいいかもしれません。
命令するのではなく、問いかけることで子どもが自ら気づき行動するよう誘導する方法が効果的です。
シチュエーションに応じて、叱らずにすむ方法を考えてみる
シチュエーション① 食事
親としては健康のために好き嫌いなくなんでも食べてもらいたいもの。
子どもの苦手なメニューをだまってだせば「食べたくない」と反発するでしょう。
このような場合は、食卓に並べる前に、どんな理由があって食べてもらいたいのか話し合っておけば子ども納得し揉め事を回避できます。
シチュエーション② 間食
スナック菓子、ジュースなどのおやつの食べ過ぎは健康を害しますし、お菓子で満腹になってしまっては食事の量にも影響します。
事前に時間帯や量など親子でルールを決め守れないようなら「おやつはなし」と厳しく伝えてもいいかもしれません。
シチュエーション③ 就寝時間
その日によって前後することはあると思いますが、ある程度時間を決め遊びを切り上げるよう話し合っておきます。
その際、時計を見せながら説明する、時間を意識する癖もつくのでおすすめです。
まだ時計が読めない場合は、タイマーを使うと子どもにもわかりやすいです。
③つに共通することは、事前に親子でしっかり話し合うことです。
忙しいと親の意見を通しがちですが、子どもの意見もしっかり尊重してあげなくてはいけません。
子どもの気持ちになって考えてみる
親子というものは頻繁にすれ違いをみせるものです。
それは小さな意見の食い違いから、重大なものまでさまざまで、大人になっても起こりえます。
お互いに自分の意見や価値観が正しいと主張しあい、時には怒鳴りあいの喧嘩になることもあるかもしれません。
これを解決するにはお互いが納得できる妥協点を見つけ、お互いが折れなくてはいけません。
自分を相手の立場に置き換えて子どもが「どう感じているのか」「親に対してどんな感情を抱いているのか」あるいは「第三者のつもりになって」客観的に眺めてみるのもひとつの方法です。
家族といえど、ひとりの人間であることを必ず念頭に置いておくことが大切です。
子どもが納得できる説明を
これが一番効果的かもしれません。
注意してもダメなときは、いったん落ちついて目を見て会話をすることが必要です。
この時の会話では、決して怒らずに冷静に「〇〇くんは、なんで言われたことをしないのかな?」と問いかけからはじめ、子どもの言い分を最後までしっかりと聞いてあげます。
この時、けっして口を挟まないことがポイントです。
最後まで聞いたら、次は親のターンです。
子どもが理解できるわかりやすい言葉で、こちらが思っていることや怒っている理由を説明します。
説明するときは "例えば" の話を盛り込むと、理解が深まります。
親が思っているほど、子どもはいろいろなことを知りません。
それ故に、小さいうちは何度も同じような話し合いが必要になるかもしれません。
しかし屈せずに話し合いを継続していけば、いつかは子どもにも伝わります。
『問題は、その問題を作ったときと同じレベルでは解決できない』
―アインシュタインー
これは起こってしまった問題は、一度深く掘り下げ考えを改めないと解決することは難しいということです。
怒りをただただぶつけ事態を悪化させてしまうまえに、なぜいけないのかをきちんと話し合い解決に導くことで、親子で日々のストレスが軽減できるかもしれません。